Blog ブログ

Blog

HOME//ブログ//土地の境界トラブルになる前に知っておくべきこと

ブログ

土地の境界トラブルになる前に知っておくべきこと

目次

土地の境界トラブルはどんなことがあるのか

不動産売買において隣地との境界トラブルは売る側にとっても買う側にとってもお隣さんとの関係が険悪になってしまうことがあります。隣地との境界トラブルが発生する事例を紹介します。

塀による境界明示は越境していることがあります。

近年は、土地の四隅などに境界標という四角い杭が打ち込まれ、境界を明示することが通常でありますが昭和時代では、塀や垣根を境界線とすることが主流でした。

曖昧な位置に作られた塀を境界とし生活を送ることはできますが、不動産の売却活動を行う時には測量士などの調査が必要となりますのでトラブルがおこる可能性があります。

敷地境界を示すものが塀やフェンスなどの場合、それが明確な境界線とはなりません。元々誤った位置に塀やフェンスを建設したり、何らかの原因でずれてしまった場合もあります。そう言った場合トラブルの原因になることがあります。

よくあるトラブルとしては境界壁の中心が境界なのか、お隣側に面している境界壁部分が境界なのかで揉めることが多く境界が確定できず売却できないことなどがよくあります。
こう言ったトラブルを解決する場合、時間と費用がかなりかかる場合があります。

境界標を移設しなかった場合

近年ではありませんが、代々お隣同士交友があり、お互いの土地の地形を整形するために土地の交換などを行ったが仲が良いため契約書なども作成せず、さらに敷地境界線を変更したにもかかわらず境界標を移設せずそのまま放置した場合トラブルにつながります。
こう言った場合も公図などからしっかり測量を行ったうえで双方が納得しなければ境界を確定することができません。

境界標を勝手に撤去した場合やされてしまった場合

土地には、永続性のある素材で境界票を設置することが前提です。近年では金属プレートなどを埋め込む方法が主流です。少し前までは木製の杭などで一時撤去できる素材などもありました。
このほかに上下水道の引き込み工事や外構工事などの都合で、どうしても一時的に境界標を移動しなければならないことがあります。

隣地所有者立ち合いのもと移動し、復元の際も隣地所有者に立ち会いがあれば問題は起こりませんが、立ち合いがない場合や業者によっては復元しない業者もいますので、業者に任せっきりにするのはやめましょう。

建築物が越境していた場合

建物の一部や塀、庭木などの所有物が、敷地境界線を越えて隣地へ侵入してしまっていることを越境といいます。

敷地境界線については双方が同意したが、境界線の確定により建物の一部が越境していたことが判明し、トラブルに発展することがあります。

建物や塀が隣地にはみ出している場合だけでなく、屋根や雨どいなど、敷地の上空を占有していることも越境になります。
越境については故意でなかったとしても、越境部分については越境を解消する義務が生じます。

どんな理由にせよ、越境してしまっている物件を売却するのはマイナス材料しかありません。
その理由としては越境された箇所は建築敷地に含めることができず、新築などをする時に越境した面積分が建築可能面積から減ってしまいます。

したがって土地所有者は、隣地所有者に越境部分のすみやかな撤去を求めることになります。植木や塀、フェンスなどは比較的に撤去に時間がかかりませんが、建築物などは簡単に撤去できません。そういったことから、越境の解決にはかなりの時間が必要になります。

全ての隣接同意が得られない。

原則として境界確定は、土地所有者全員の合意が必要です。

土地の境界確定に大きな問題を抱えていない限り、隣地の所有者が1人の場合はスムーズに進められますが、複数の人が共同で所有している場合は、時間や費用がかかることがあります。

一つの例として隣地の相続手続きが完了していなかったり、所有者が皆遠方に住んでいる場合だと、交渉だけで時間と経費を費やすことになるからです。

土地境界トラブル解決するには

土地の境界を巡るトラブルは、基本的に当該地所有者と隣地所有者の協議による解決が一般的解決方法となります。

しかし、契約書(覚書なども含む)がなかったり、曖昧な記憶や一方的な思い込みでお互い協議をしても、問題解消にはいたりません。ここではそういった場合のトラブル解決についてご説明します。

隣接地権利関係の調査

はじめに隣地所有者を正確に把握しましょう。

隣接土地の境界線について、双方の所有者が合意した時に取り交わす「筆界確認書」を作成する際には、隣家の居住者ではなく、その土地の所有者が対象になります。そのため法務局で土地全部事項証明書を入手し、所有者を正しく把握しましょう。
現在では、法務局のネットから取得することもできます。

地積測量図の確認をしましょう

地積測量図は、土地の面積や形状、境界標の位置などが記載された公的な図面です。登記の際などに添付され、法務局に保管されており、客観的資料として活用できます。

しかし、登記申請の必要書類となったのは昭和35年からですので制度が発足した当時は測量精度が低かったため、誤差が生じるケースがあります。

そのため正確な資料として訴訟などにも証拠として使用できるものは、平成18年の座標値の記載が義務化されて以降の資料となります。

そして、平成20年以降は世界測地系データという、世界共通の測定方法で図面が作成されていますので、たとえ工事などで境界標が紛失したりずれたとしても、極めて高い精度で図面の再現ができます。

地積測量図と境界標を照合しましょう

近年の地積測量図の精度が高いといっても、図面だけで隣地の所有者に土地の境界の同意を得ることはできません。
その地積測量図通りに境界標が存在していれば、土地の境界を確認することが可能になります。

不動産登記規則第77条では「現地に境界標があるときは地積測量図に記録しなければならない」と定めており、境界標は石、コンクリート、合成樹脂や錆びない鋼製など、固くて永続性のある材質を用いることが定義づけられています。

現在では木杭や中空のプラスチック杭は耐久性に欠けるため、境界標としては認められません。
境界標は取り外しができず腐食しない強固なものが現地に存在し、なおかつ地積測量図と一致することで、敷地境界線として有効となります。

事前に境界標の確認をしましょう

何の準備もせず現地確認もしないまま、土地の境界立会いを行うことは避けましょう。

境界確定の必要性が生じた段階で、地積測量図どおりに境界標が存在しているかどうかを、まず確認しましょう。

その時に相違が生じていた場合は自身で勝手に動くのではなく不動産業者や土地家屋調査士に相談をし、なぜ相違が生じたのかを確認したうえで、隣地所有者との協議をしましょう。面倒くさいと思いかもしれませんがこのように事前に確認をしっかり行うことでトラブルを未然に防ぐことができます。

筆界確認書の作成をしましょう

境界確認を隣地所有者との立ち合いで確定した時は、次に土地家屋調査士が作成した「筆界確認書」を2通用意して、当該土地所有者と隣地所有者の双方が署名捺印をし、お互いにこれを保管します。
署名捺印することで境界トラブルは解決となります。

トラブルになる前に交友関係を築きあげましょう

境界トラブルで解決しない例として多くあるのが、隣地との交友関係が険悪で損得抜きで感情的に同意できないというものが多くあります。こう言った場合は、隣地所有者境界確定の確かな証拠が揃っているにも関わらず根拠のない問題点を指摘して、いつまでも確定に同意しないことがあります。

先に述べたように境界標に有効性があれば訴訟となっても解決する方法はありますが、それには膨大な費用と時間がかかるため大きな不利益を被ることになります。

こうしたケースにならないためにも、日頃のコミュニケーションをしっかり築きあげ良好な関係をつくりましょう。

筆界特定制度でなどを活用してトラブルを解消しましょう

筆界のトラブルを解決する方法の一つに、筆界特定制度があります。
この制度は時間のかかる裁判ではなく、法務局の手続きによって筆界トラブルの解決を図る制度となります。

筆界調査委員による調査

土地所有者が筆界特定制度の申請をすると、土地家屋調査士や弁護士などによって構成されている筆界調査委員が調査を開始します。この調査結果や見解に基づき、法務局が特定筆界調査官が筆界を特定します。

筆界調査委員は、法務局や自治体に保管されている調査対象の筆界に関する資料を用いり実地調査や測量調査を行うとともに、当事者からのヒアリングなども踏まえて、公平に解決する道を探ります。

裁判よりも早く解決できる制度

筆界特定制度が始まったのは平成18年です。
それ以前は全て裁判で筆界トラブルの解決を図っていましたが、裁判はどんなに小さな土地の争いでも判決が出るまでに膨大な時間と費用がかかってしまいます。

裁判に比べ、筆界特定制度は申請から解決までの所要日数は平均的に6カ月から1年程度となり、裁判とは格段に早期解決ができます。

注意事項

筆界特定制度の目的は筆界確定であり、土地の所有権範囲の特定ではありません。
トラブルの争点が所有権と筆界の食い違いから発生している所有権界争いの場合は、この制度を利用することはできません。

最後に

境界は日常生活の中ではあまり気にすることはないと思います。

しかし、境界が曖昧となっていたために土地を売却しようとしたときに境界トラブルにより売れないことでトラブルにつながることが多くあります。

土地売却は、購入者が現れると契約まで時間がありません。
そういったことから境界トラブルが起こった場合、早く売却したいという気持ちから、相手の理不尽な言い分を飲み込み早期解決しようということがあります。

こういった心理から、土地の境界確定を売却直前に実施すると、多くのケースで土地所有者にとって不利になる可能性が高くなります。

この記事をみて自己所有地の境界に不安がある場合は、公図や確定測量図を取得して境界標の確認をしてみましょう。そのうえで、曖昧なことがある場合は土地売却を考えるときではなく、すぐに解決に向けて取り組みましょう。

弊社ではこの記事に述べている境界トラブル解決はもちろん、筆界未定地の解決なども多く取り組んできました。
わからないことがあったら相談無料なのでご相談お待ちしております。

SHARE
シェアする
[addtoany]

ブログ一覧